建設業のM&Aとは?動向・相場・事業承継の基礎知識を売り手目線で解説【2026年最新】

建設業のM&Aを検討する経営者が専門家と落ち着いて話し合うシーン

後継者が見つからない、現場を引き継げる人材が育っていない、体力的にそろそろ限界が近づいている——建設業を長年経営してきた経営者であれば、こうした悩みを一度は抱いたことがあるはずです。

特に近年、建設業界では人手不足・高齢化・技術者の確保難が同時進行しており、「このまま廃業するしかないのか」と自問する社長が増えています。しかし廃業は、従業員の雇用を失わせ、長年築いた取引先との関係も途切れさせる選択です。そこで注目を集めているのが、M&A(合併・買収)を活用した事業承継という手段です。

そこで本記事では、建設業のM&Aについて基礎知識から動向・相場・注意点まで、売り手となる経営者目線でわかりやすく解説します。「M&Aは大企業の話では?」と感じている方にこそ読んでいただきたい内容です。


この記事の監修者

M&Aセカンドオピニオン協会

代表理事 森沢 雄太

外資系銀行でのウェルスマネジメント業務を経て、日本M&Aセンターに入社。譲渡側アドバイザーとして100件超の成約に関与し、野村證券出向や福岡支店立ち上げも経験。2018年に日本投資ファンド立ち上げに参画し、投資先の再生にも成功。2022年、合同会社M&Aプレップを創業し、仲介会社・ファンドへの支援やオーナー向け売却準備、買収支援など幅広く展開。2024年には売却支援事業拡大のため株式会社企業経営支援機構を設立し代表に就任。加えて、M&Aにおける利益相反や情報格差の是正を目的とし、代表理事として一般社団法人M&Aセカンドオピニオン協会を設立。

目次

建設業界の現状と市場規模

建設現場の全景と業界の安定した需要を表す俯瞰イメージ

建設業は日本経済を支える基幹産業のひとつです。国土交通省の統計によれば、建設工事の施工金額は近年も高い水準を維持しており、インフラ老朽化対策・災害復旧・都市再開発・脱炭素関連投資など、公共・民間双方から安定した需要が続いています。

一方で、許可業者数は令和6年度末(2025年3月末)時点で全国483,700業者に達しており(国土交通省「建設業許可業者数調査」)、そのうち中小・零細規模の企業が大半を占めています。売上高数億円から数十億円規模の会社では、社長個人の営業力・人脈・職人との関係性によって経営が成り立っているケースが多く、後継者問題がそのまま会社の存続問題に直結しやすい構造になっています。

建設業界が抱える深刻な課題

建設業界が現在直面している課題を整理すると、以下の4点に集約されます。

後継者不足:帝国データバンクの2025年調査では、建設業の後継者不在率は6割前後と全業種の中でも高い水準にあり、依然として深刻な状況が続いています。特に土木・建築・設備工事業では創業者が70代に差し掛かっても後継者が決まらないケースが少なくありません。

人手不足と高齢化:2024年の建設業就業者のうち55歳以上は約37%に達する一方、29歳以下は約12%にとどまっており(国土交通省)、高齢化が著しく進んでいます。若手の入職者は増えていません。2024年4月から建設業にも適用されている時間外労働の上限規制(いわゆる建設業の2024年問題)への対応も各社の経営課題となっています。

技術者・有資格者の確保難:1級・2級施工管理技士や一級建築士などの有資格者は、建設業許可の維持に直接関わります。資格保有者が退職・高齢化すると許可の更新・維持が困難になるリスクがあります。

資材価格の高騰:木材・鉄鋼・コンクリートなどの建設資材は近年大幅に値上がりしており、中小建設会社の利益率を圧迫しています。大手グループへの参画や仕入れの共同化によって、この問題を解決しようという動きも見られます。

これらの課題が重なる中で、M&Aを事業承継の選択肢として前向きに検討する経営者が増えているのが、2026年現在の建設業界の実情です。


建設業でM&Aが増加している背景と動向

建設業界のM&A動向を示す、経営者が資料を確認している落ち着いたシーン

建設業界のM&Aは、大手ゼネコン間の業界再編から、中小建設会社の事業承継型M&Aまで、幅広い形で活発化しています。

大手・中堅間の業界再編

清水建設による日本道路の完全子会社化、インフロニアホールディングスによる三井住友建設のTOB実施など、上場企業レベルでも大型のM&Aが相次いでいます。これらは事業領域の拡大や競争力強化を目的としたものです。

異業種からの建設業参入も目立ちます。不動産会社・IT企業・物流会社などが建設会社を買収し、ワンストップサービスの提供や川上・川下統合を図るケースが増えています。

中小建設会社における事業承継M&Aの増加

中小規模では、後継者不在を主な理由としたM&Aが急増しています。「廃業すれば従業員が路頭に迷う」「長年積み上げた許可や実績を無駄にしたくない」という経営者の想いが、M&Aという選択を後押ししています。

M&Aプラットフォームへの建設業の売却案件登録数も年々増加しており、買い手候補も同業の中堅建設会社から、異業種の大手企業グループまで多様化しています。

地域別に見ると、人口減少が進む地方圏での事業承継ニーズが特に高く、九州・東北・北海道などでも活発な動きが見られます。公共工事への依存度が高い地方の建設会社は、入札ランクや実績が引き継ぎやすいという点で、買い手にとっても魅力的な案件になりやすいのです。

建設業の業種別M&A動向

建設業といっても、土木・建築・設備・電気など業種によってM&Aの文脈は異なります。

土木工事業は、公共インフラの老朽化対策・国土強靭化計画を背景に中長期的な需要が見込まれており、入札ランクや公共工事実績を持つ会社への買収ニーズは引き続き旺盛です。特に地方の中堅・中小土木会社は、大手グループが地域拠点を確保する目的でM&Aのターゲットになりやすい傾向があります。

建築工事業・ゼネコンは、住宅市場の変動を受けやすい一方、設計施工一体型の会社や官公庁との取引実績が豊富な会社は評価が高まっています。リフォーム・リノベーション事業を持つ会社への需要も増えており、内装・改修工事業者のM&Aも活発化しています。

設備工事業(空調・給排水・電気)は、近年特に注目度が高まっているセグメントです。脱炭素・省エネ対応に伴う設備更新需要、データセンターや物流倉庫の設備工事需要が増加しており、専門技術者・有資格者を保有する設備工事会社は買い手から引き合いが多い状況です。電気工事業も同様で、再生可能エネルギー関連工事の拡大を背景に存在感が増しています。


建設業のM&Aにおける主なスキーム(手法)

M&Aの手法・スキームを専門家が丁寧に説明するビジネスシーン

M&Aには複数の手法があり、建設業特有の許可・資格の引き継ぎ問題とセットで理解することが重要です。

株式譲渡

売り手の会社の株式をそのまま買い手に移転する方法です。会社の法人格はそのまま継続されるため、建設業許可も原則として引き続き有効です。手続きが比較的シンプルで、経営の継続性を維持しやすいため、建設業の事業承継型M&Aでは最もよく用いられるスキームです。

ただし、株式を取得するということは、その会社の負債・簿外債務・未払い費用なども買い手が引き受けることを意味します。そのため買い手側は必ず財務・法務・税務のデューデリジェンス(DD)を実施します。デューデリジェンスとは「精密調査」のことで、M&A前に対象会社の実態を詳細に確認するプロセスです。

事業譲渡

会社全体ではなく、特定の事業だけを切り出して売却する手法です。「土木工事部門だけを売りたい」「建築設計部門は残したい」といったニーズに応えやすい反面、建設業許可は原則として事業譲渡では自動的に引き継がれません。ただし、令和2年(2020年)の建設業法改正により「事業承継等に伴う建設業許可の承継認可制度」が整備されており、一定の要件と手続きを踏むことで許可の承継が認められる場合があります。手続きには期限や要件が細かく定められているため、事前に所管の行政庁や専門家に確認することが必要です。

会社分割・合併

事業の一部または全部を切り出して別会社にする「会社分割」や、複数の会社を一つにまとめる「合併」なども選択肢に入ります。建設業の再編・グループ化の場面で活用されますが、手続きが複雑であるため、専門家のサポートが欠かせません。なお、令和2年改正以降、合併や会社分割についても事業承継等に伴う建設業許可の承継認可制度の対象となっており、適切な手続きを経ることで許可を引き継ぎやすくなっています。


売り手(譲渡側)にとってのM&Aのメリット

M&Aの成立後に安心感と将来への希望を感じる建設業経営者のシーン

「M&Aで自分の会社を売る」と聞くと、何か後ろめたい・負けを認めるような感覚を持つ経営者も少なくありません。しかし実態は異なります。M&Aは、経営者が責任を持って会社の将来を選択する、能動的な経営判断です。

後継者問題の解決と雇用の維持

M&Aの最大のメリットは、後継者問題の根本的な解決です。廃業を選べば従業員は全員解雇となりますが、M&Aで会社を存続させれば、雇用はそのまま維持されます。長年一緒に現場を支えてきた職人・技術者・事務スタッフの生活を守れるという点は、売り手経営者にとって非常に大きな意味を持ちます。

創業者利益の実現

株式譲渡の場合、売り手経営者は保有株式の対価として売却代金を受け取ります。長年にわたって会社に投じてきた労力と資本が、まとまった資金として手元に戻ってきます。老後の生活資金・セカンドライフへの投資として活用できます。

なお、株式譲渡益には申告分離課税として20.315%の税率(所得税・復興特別所得税・住民税の合計)が適用される場合があります。ただし実際の税負担は保有形態や状況によって異なるため、具体的な税額計算は必ず税理士等の専門家に確認してください。

技術・ノウハウ・許可の承継

建設業では「許可」と「人材(有資格者)」が最大の資産です。廃業すれば許可は消滅し、長年蓄積した入札実績・施工ノウハウも失われます。M&Aを通じて買い手企業に引き継がれることで、これらの価値ある資産が社会的に活かされ続けます。

個人保証・担保の解除

中小建設会社では、金融機関からの融資に対して社長個人が連帯保証人になっているケースが多くあります。M&Aによる株式譲渡が成立すれば、買い手側への経営移行に伴い、社長の個人保証が解除される交渉が可能になります(日本商工会議所・全国銀行協会が策定した「経営者保証に関するガイドライン」及び事業承継時の特則に基づく運用)。

大手グループの傘下でさらなる成長

独立した中小企業では限界だった大型案件への入札参加や、全国展開・海外案件への挑戦が、大手グループ傘下に入ることで実現するケースもあります。売却後も社長として経営を継続し、グループの後ろ盾を活用して事業拡大を図る経営者も少なくありません。


建設業M&Aにおける重要な注意点

M&Aの重要書類を専門家と慎重に確認する建設業経営者のシーン

建設業のM&Aには、他業種と異なる固有の注意点があります。事前に理解しておかないと、M&A後に思わぬトラブルが発生することがあります。

建設業許可の引き継ぎ方法はM&A手法によって異なる

建設業を営むには、国土交通大臣または都道府県知事から「建設業許可」を取得する必要があります。この許可の引き継ぎ方法は、M&Aの手法によって異なります。

株式譲渡の場合は、会社の法人格が変わらないため許可はそのまま継続されます。一方で事業譲渡・会社分割・合併の場合は、令和2年(2020年)の建設業法改正で整備された「事業承継等に伴う建設業許可の承継認可制度」を活用することで、許可の承継が認められる場合があります。ただしこの制度は、譲渡・分割・合併の効力発生日より前に承継認可申請を行う必要があるなど、期限や要件が細かく定められています。自動的に承継されるわけではなく事前申請が前提であるため、案件ごとに所管の行政庁や専門家に手続きスケジュールを確認することが不可欠です。

経営業務の管理責任者の要件確認

建設業許可の維持には、適切な「経営業務管理体制」を有することが要件です。令和2年(2020年)10月の建設業法改正により、従来の「経営業務の管理責任者(経管)」を一人の個人に求める要件に加え、常勤役員等と補佐者を配置することで組織全体として経営管理体制を満たすことも可能となりました。

M&A後に現社長が退任する場合、後任の常勤役員等が必要な要件を満たしているかを事前に確認しておく必要があります。引き継ぎ後に経営業務管理体制の要件を満たす人物が不在になると、許可の更新ができなくなるリスクがあります。デューデリジェンスの段階でしっかり確認すべき重要事項です。

粉飾決算・財務情報の正確性

建設業では受注の繁閑が激しく、売上の計上タイミングや工事原価の見積もり精度によって決算数値が大きく変動することがあります。過去に売上の前倒し計上や経費の繰り延べなど、意図的・非意図的な粉飾決算が行われているケースでは、デューデリジェンス時に発覚し、譲渡価格の大幅な見直しや交渉破談につながることがあります。

M&Aを検討し始めたら、2〜3年前から財務諸表の正確性を高め、税理士と連携して適正な決算を行っておくことが、スムーズなM&A実現への近道です。

協力会社・一人親方との関係維持

中小建設会社では、施工の多くを協力会社や一人親方に外注しています。M&Aの情報が漏れた際に「社長が変わるなら仕事を続けられない」と協力会社が離れてしまうリスクがあります。

情報管理を徹底し、M&A後の引き継ぎ計画の中で主要な協力会社・取引先への丁寧な説明を行うことが、PMI(M&A後の統合プロセス)の成否を左右します。


建設業のM&A相場と企業価値評価の考え方

企業価値評価の資料を検討する建設業経営者の落ち着いたビジネスシーン

「うちの会社はいくらで売れるのか」——M&Aを検討する際に最も気になるポイントです。建設業の企業価値は、業種特性を踏まえた複数の手法で評価されます。

主なバリュエーション(企業価値評価)手法

時価純資産法(コストアプローチ):会社が保有する資産(現金・売掛金・重機・土地等)から負債を差し引いた純資産をベースに評価する方法です。建設業では重機・車両・工具などの有形固定資産が多い場合、純資産が高く算出される傾向があります。ただし、この手法では収益力が反映されにくいため、建設業のM&Aでは「時価純資産+営業権(のれん)」の形で算定されることが多いです。

EBITDA倍率法(マーケットアプローチ):EBITDAとは「Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation, and Amortization」の略で、税引き前利益に支払利息・減価償却費を加算した指標です。建設業では設備投資が多いため、減価償却費が大きく、EBITDAが営業利益より高くなるケースが多くあります。同業他社の取引事例と比較し、建設業ではおおむねEBITDA×3〜8倍程度のレンジで検討されることが多いとされますが、企業規模・収益安定性・有資格者数・入札ランクによって倍率は大きく異なります。

DCF法(インカムアプローチ):将来の事業キャッシュフローを現在価値に割り引いて評価する方法です。収益力と将来性を反映しやすい一方、前提条件の置き方によって算定結果が変わります。

建設業特有の価値を高める要素

通常の財務数値に加え、建設業では以下の要素が企業価値を高める重要ポイントとなります。

1級・2級施工管理技士、一級建築士、電気工事士など有資格者の在籍数と資格の種類は、入札参加資格や許可業種の幅に直結します。有資格者が多く在籍する会社ほど、買い手にとっての魅力は高まります。

経営事項審査(経審)の点数・入札ランクは、官公庁の公共工事受注に欠かせない評価指標です。高い入札ランクは既得権益ともいえる価値を持ちます。

元請け比率の高さも重要です。下請けメインの会社に比べ、元請け比率が高い会社は収益性・取引先との関係性・情報の優位性が評価されやすい傾向があります。

無借金経営・財務健全性も、交渉において有利に働きます。

相場感の目安

一般論として、建設業の中小企業M&Aでは「時価純資産に営業利益の2〜5年分を加算する方法」や「EBITDA×3〜8倍」といったレンジで検討されることが多いとされています。ただし、これはあくまで参考値です。会社の規模・業種(土木・建築・設備・電気等)・地域・財務状況・有資格者数・入札ランク・元請け比率などによって大きく幅があります。「うちの会社ならいくらになるか」を知るためには、専門家による個別の企業価値評価を受けることが不可欠です。


建設業のM&Aプロセス(流れ)

M&Aのプロセスを複数の専門家と経営者が段階的に進めているシーン

M&Aを実際に進める場合の大まかな流れを押さえておきましょう。

まず、相談・秘密保持契約(NDA)の締結から始まります。M&A仲介会社やアドバイザーに相談する段階では、まず秘密保持契約を締結します。これにより、M&Aを検討していることが外部に漏れることを防ぎます。

次に、企業概要書(IM:インフォメーションメモランダム)の作成を行います。買い手候補に提示する資料を作成します。財務状況・事業内容・強み・従業員状況などがまとめられます。

買い手候補へのアプローチでは、仲介会社が保有するネットワーク・データベースを通じて買い手候補を探索します。

トップ面談は、売り手経営者と買い手候補が直接会って話し合う場です。事業への想い・将来ビジョン・従業員への処遇方針などを確認します。

LOI(Letter of Intent:意向表明書・基本合意書に相当)の締結は、条件が概ね合意できた段階で締結する書面です。M&A価格の方向性・独占交渉権の付与・デューデリジェンスの実施などが定められます。

デューデリジェンス(DD)は、財務・法務・税務・労務などの専門家が対象会社を詳細に調査するプロセスです。ここで発覚した問題は、最終的な価格交渉に影響します。

最終契約(株式譲渡契約書〈SPA:Share Purchase Agreement〉等)の締結とクロージングで、M&Aが正式に完了します。クロージングとは、契約に基づく株式・代金の決済手続きのことです。

クロージング後のPMI(統合プロセス)も重要

M&Aはクロージングがゴールではありません。その後のPMI(Post Merger Integration:ポスト合併統合)がM&Aの成否を実質的に決めると言っても過言ではありません。

建設業のPMIで特に重要なのは、現場の職人・技術者・施工管理者の離職防止です。「社長が変わったから辞める」という流れが生じると、技術力や施工体制が一気に失われます。売り手経営者がM&A後も一定期間顧問・取締役として残り、従業員・協力会社に対して直接説明・フォローする体制を取ることが、円滑な引き継ぎのために有効です。

また、建設業では施工管理のシステム・工事台帳・見積もり書式など、会社ごとに独自の運用ルールが根付いています。買い手企業のシステムへの統合を無理に急がず、現場の混乱を最小限に抑えながら段階的に進めることが大切です。売却前の段階から「M&A後に買い手がどのように引き継ぐか」を意識し、引き継ぎに必要な情報を整理しておくことが、スムーズなPMIにつながります。


M&Aを成功させるための重要ポイント

M&A成功に向けて前向きに計画を立てる建設業経営者のシーン

建設業のM&Aを検討する経営者が、後悔しないために押さえておくべきポイントを整理します。

M&Aの目的を明確にする

「後継者がいないから」という消極的な理由だけでなく、「従業員の雇用を守りたい」「会社を大きくしてほしい」「自分の引退後も地域で建設業を続けてほしい」など、売り手としての優先事項・ゆずれない条件を事前に整理しておきます。目的が明確なほど、買い手候補の絞り込みや条件交渉が円滑に進みます。

強みを客観的に把握し整理する

自社が保有する許可業種・有資格者の一覧・入札ランク・主要取引先・施工実績・保有機械設備などを事前にまとめておきます。「うちは何の強みもない」と思っていても、専門家の目線では十分な価値がある会社は少なくありません。

情報管理を徹底する

M&Aの検討情報が従業員・取引先・競合他社に漏れると、動揺や離職・取引先の離脱を招くリスクがあります。信頼できる専門家と秘密保持契約を締結した上で、慎重に進めることが基本です。

自分に合った相談先を選ぶ

M&Aの相談先には、M&A仲介会社・M&Aアドバイザー(FA)・金融機関・士業(税理士・弁護士)・事業承継・引継ぎ支援センター(公的機関)など多様な選択肢があります。それぞれ報酬体系・利益相反の有無・得意な規模感が異なります。

特に、仲介会社に対して「この条件で本当に自分に有利な交渉をしてくれているのか」「提示された価格は適正か」と不安を感じる経営者は増えています。そうした場面で活用できるのが、第三者の専門家によるセカンドオピニオンです。

M&Aを検討するタイミング

「まだ早いのでは」と先送りにしがちなM&Aですが、実は着手のタイミングが遅れるほど選択肢が狭まることがあります。経営者の年齢・体力・意欲が十分ある段階で動き始めることで、買い手候補との交渉を余裕を持って進めることができます。また、業績が安定しているタイミングのほうが、企業価値の評価も有利に働きやすいという実態があります。「そろそろ考えなければ」と感じた時が、専門家への相談を始めるサインと捉えてください。


建設業のM&A相談はセカンドオピニオンも活用を

M&Aセカンドオピニオンの専門家と経営者が安心して相談しているシーン

「M&A仲介会社から提案を受けているが、この条件が本当に自分に有利なのか不安」「他に良い買い手候補がいないか気になる」——こうした疑問を感じたとき、一つの仲介会社だけの意見を鵜呑みにせず、中立的な第三者のセカンドオピニオンを活用する経営者が増えています。

M&Aセカンドオピニオンでは、元日本M&Aセンター出身でM&A成約実績100件超の専門家が、売り手経営者に100%寄り添う立場で相談に対応しています。完全無料・成功報酬なしの中立的なサービスです。

「まだM&Aを決めたわけではないが、基礎知識を確認したい」「今受けている提案の妥当性を確かめたい」という段階での相談も歓迎されています。経営者が十分な情報を持った上で意思決定できるよう、情報格差の是正をサポートしています。


まとめ:建設業のM&Aを正しく理解した上で検討を

M&Aを前向きに検討し次の一歩を踏み出す建設業経営者のイメージ

建設業のM&Aについて、基礎知識から動向・売り手メリット・注意点・相場・プロセスまでを解説しました。最後に要点を整理します。

建設業界では後継者不足・人手不足・高齢化・資材高騰を背景に、M&Aは事業承継の有力な選択肢として定着しつつあります。中小建設会社のM&Aは廃業の回避策にとどまらず、従業員の雇用維持・技術やノウハウの承継・個人保証の解除・創業者利益の実現といった多くのメリットをもたらします。

一方で、建設業許可の引き継ぎ方法・経営管理責任者の要件・粉飾決算リスクなど、建設業特有の注意点もあります。M&A手法の選択から相手先の選定まで、専門知識が必要な局面は多く、信頼できる専門家のサポートが成功の鍵となります。

「M&Aを検討しているが何から始めればよいかわからない」「今進んでいるM&Aの条件について第三者の意見が欲しい」という場合は、ぜひ専門家への無料相談を活用してください。建設業のM&Aには業界特有の知識が必要な局面が多く、税務・法務・許認可それぞれに精通した専門家と連携しながら進めることが、納得のいく結果につながります。「一人で抱え込まず、早めに専門家に話を聞いてみる」という姿勢が、M&Aを成功に近づける第一歩です。


無料相談・お問い合わせのご案内

無料相談の窓口として、経営者が安心して問い合わせできる専門家のオフィスイメージ

建設業のM&A・事業承継に関するご相談は、M&Aセカンドオピニオンへお気軽にどうぞ。完全無料・成功報酬なし・売り手に100%寄り添う中立的なアドバイスを提供しています。

また、中小企業庁が提供する「事業承継・引継ぎ支援センター」でも、全国の中小企業の事業承継・M&Aに関する無料相談窓口が設置されています。公的機関として信頼性が高く、初めての相談先として活用できます。


本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の案件に関しては、必ず専門家にご相談ください。

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