介護業界のM&A完全ガイド|動向・メリット・価格相場・手続きの流れを解説

介護事業のM&Aを前向きに検討する日本人経営者

介護事業を経営するなかで、「このまま事業を続けていけるだろうか」「後継者がいない」「人材不足が深刻で限界を感じている」という悩みを抱えてはいませんか。

少子高齢化が加速する日本では、介護サービスへの需要は増加し続けています。その一方で、介護報酬改定による経営圧迫や深刻な人材不足が重なり、事業継続に不安を感じる経営者が増えています。こうした状況のなかで、M&A(合併・買収)は介護事業の売却・事業承継における有力な選択肢として注目されています。

しかし、「M&Aという言葉は知っているが、介護業界特有のルールや手続きがわからない」「売却価格の相場が見当もつかない」「どこに相談すればよいか」と戸惑う経営者も少なくありません。

そこで本記事では、介護業界のM&Aについて、基礎知識から業界の最新動向、売り手・買い手それぞれのメリット、価格相場の考え方、手続きの流れ、そして成功のために押さえておくべきポイントまで、売り手経営者の視点でわかりやすく解説します。


目次

介護業界とM&Aの基礎知識

介護M&Aの基礎知識を資料で説明するビジネスシーン

介護業界のM&Aとは、介護施設や介護サービス事業者が、第三者に対して事業や会社を譲渡・売却することを指します。M&A(Mergers and Acquisitions)は「合併と買収」を意味する言葉で、株式譲渡・事業譲渡・会社分割といった複数の手法が含まれます。

介護M&Aで使われる主な手法

介護事業のM&Aでは、主に以下の3つの手法が活用されます。

株式譲渡とは、会社の株式(持分)を買い手に譲渡することで、会社そのものを引き継ぐ方法です。法人の許認可や利用者との契約関係をそのまま引き継げるため、介護事業者のM&Aで最も多く利用されています。経営者が個人で保有している株式を全部売却するケースが一般的で、法人格が変わらない点がポイントです。

事業譲渡とは、会社(法人)ではなく事業の一部または全部を買い手に売却する方法です。法人格は売り手側に残るため、特定の事業所や拠点だけを売却したい場合に適しています。複数の介護サービス種別を運営している法人が、そのうちの一業態のみを切り出して売却する際などに活用されます。

会社分割とは、会社の一部を切り離して別の会社に移転させる手法です。複数の事業を運営している場合に、特定の事業部門だけを分離して買い手に引き継がせる場面で使われることがあります。

介護事業特有の重要ポイント:許認可の取り扱い

介護事業はデイサービス(通所介護)や訪問介護、グループホームなど、都道府県・市区町村から「指定(許認可)」を受けて運営するサービスがほとんどです。

株式譲渡の場合は法人格が変わらないため、介護事業者としての指定をそのまま引き継ぐことができます。一方、事業譲渡の場合は原則として買い手側が新たに指定申請を行う必要があります。サービス種別によっては申請から指定まで数ヶ月かかるケースもあり、申請中のサービス空白期間が生じないよう事前に関係機関と調整しておくことが重要です。

この許認可の引き継ぎ方が、介護M&Aにおいて手法選択に大きな影響を与える独自の特徴といえます。


介護業界が抱える現状と課題

介護業界の経営課題を見据える施設管理者の後ろ姿

介護業界のM&Aを検討するうえで、業界が直面している現状と課題を正確に把握することが、正しい判断の基礎となります。

深刻化する人材不足と採用コストの増大

介護業界では慢性的な人材不足が続いています。厚生労働省の試算では、2040年度には約272万人の介護人材が必要になると見込まれており、現在の趨勢では大幅な不足が生じる可能性があります。求人広告費や人材紹介会社への手数料など採用コストは増加の一途をたどっており、中小規模の介護事業者にとっては経営上の重い負担となっています。

人材確保が難しくなると稼働率の維持も困難になり、収益が悪化する悪循環に陥りかねません。単独の事業者が採用力を高めるには限界があるため、大手グループとのM&Aを通じて採用基盤を強化しようとする動きが活発化しています。

後継者不在と廃業リスク

中小の介護事業者では経営者の高齢化が進んでおり、後継者がいないまま廃業を迫られるケースが増えています。廃業してしまうと利用者が突然サービスを受けられなくなるリスクがあり、地域の介護基盤が失われることにもなります。M&Aによる第三者への事業承継は、こうした廃業リスクを回避しながら事業を存続させる有力な手段です。

介護報酬改定と経営環境の変化

介護サービスの報酬は国が定める「介護報酬」によって決まるため、民間企業のように自由に価格設定ができません。2024年度の介護報酬改定では全体の改定率が+1.59%とプラス改定となりましたが、物価上昇や人件費の増加を十分にカバーできていない事業所も多く、経営環境は引き続き厳しい状況です。

また、制度見直しに向けた議論も継続しており、厚生労働省では2027年度開始の第10期介護保険事業計画への反映を念頭に検討が進められています。制度変化への対応力という観点からも、組織基盤の強化につながるM&Aへの関心が高まっています。

2025年問題が与えた影響

2025年には、いわゆる「団塊の世代」が後期高齢者(75歳以上)となりました。サービス需要が急拡大する一方で、人材不足・施設不足・財源の持続可能性といった課題が一挙に顕在化しています。この構造的な変化は介護事業者の再編を加速させており、M&A市場の活性化につながっています。


介護業界のM&A動向

介護業界のM&A動向を議論するビジネスミーティング

近年、介護業界ではM&Aへの関心が高まっており、異業種参入や事業承継を目的とした案件が活発に見られます。社会的な高齢化の進行と需要拡大を背景に、買い手企業の関心は引き続き強い状況が続いています。

大手企業・異業種からの参入が活発化

介護業界では、総合商社・生命保険会社・建設会社・IT企業など異業種からの参入が目立ちます。近年は日本生命保険によるニチイホールディングスのグループ化など、大型M&A案件が相次いでいます。これらの大手企業は、高齢者向け市場の拡大への対応や、既存の顧客基盤・ブランドとの相乗効果を期待してM&Aを積極的に活用しています。

中小事業者間のM&Aも増加

大型M&Aだけでなく、地域の中小介護事業者同士のM&Aも増えています。地域密着型の介護事業者が経営基盤を強化するために近隣の事業所を譲り受けるケース、または利用者・職員を守ることを優先して規模の大きな法人に事業を引き継ぐケースなど、多様な動機からM&Aが選ばれています。

業態別のM&A動向

介護業界には、デイサービス(通所介護)・訪問介護・グループホーム(認知症対応型共同生活介護)・有料老人ホーム(住宅型・介護付)・訪問看護・居宅介護支援・小規模多機能型居宅介護・サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)など多様な業態があります。

なかでも比較的小規模での運営が可能なデイサービスや訪問介護は案件数が多く、M&A市場での流動性が高い傾向にあります。一方、有料老人ホームや介護老人保健施設(老健)は物件・設備の規模が大きく、施設の状態や稼働率によって評価が大きく異なります。


介護M&Aのメリット

介護M&Aのメリットを経営者と専門家が確認するシーン

M&Aの活用によって、売り手・買い手の双方にさまざまなメリットが生まれます。

売り手側のメリット

事業・雇用・サービスの継続が実現できます。経営者の高齢化や健康上の理由で事業継続が難しくなっても、M&Aを通じて事業を引き継いでもらうことで、長年支援してきた利用者へのサービスと職員の雇用を守ることができます。廃業という選択では雇用と利用者が路頭に迷いますが、M&Aはその回避策として機能します。

後継者問題の解決につながります。親族内に後継者がいない場合でも、第三者への譲渡によって事業を存続させることが可能です。地域に根ざした介護サービスを未来につなぐという使命感を持つ経営者にとって、M&Aはひとつの選択肢となります。

適正価格での売却益を確保できます。事業を適正な価格で売却することで、経営者は老後の資金や次のチャレンジへの投資資金を確保できます。事業を育て上げた努力が経済的な価値として報われる点は、M&Aの重要なメリットのひとつです。

個人保証・借入リスクの軽減も期待できます。多くの中小企業経営者は金融機関への借入に対して個人保証を入れています。M&Aの交渉段階で個人保証の解除や借入の引き継ぎを条件に含めることができれば、経営者個人に課せられていた財務的リスクを軽減できる可能性があります。

スケールメリットの享受という点も挙げられます。大手グループに参加することで、採用力の強化・研修体制の充実・ITシステムや介護DXの導入、診療・福祉との複合サービスの展開など、単独では実現困難だった経営基盤の強化が可能になります。

買い手側のメリット

即時の事業展開が可能になります。新規で許認可を取得して事業を立ち上げるよりも、既存の事業所・職員・利用者をそのまま引き継ぐことで、迅速に事業展開が可能です。特に介護保険事業は指定申請から開始まで時間がかかるため、M&Aによる参入は時間的なメリットが大きいといえます。

人材の確保につながります。介護人材の採用が困難ないま、M&Aによって既存の職員をそのまま確保できることは、買い手企業にとって大きな価値を持ちます。現場のノウハウと経験を持つスタッフが継続して働くことで、サービスの質も維持されます。

地域拠点の獲得も重要なメリットです。地域に根ざした事業所を取得することで、その地域での認知度・利用者基盤・行政との関係性を一気に引き継ぐことができます。


介護M&Aの価格相場と評価方法

介護事業のM&A価格相場と評価資料を確認する経営者

介護事業のM&Aにおける売却価格は、事業の規模・業態・収益力・地域特性など多岐にわたる要素によって変動します。

企業価値評価に使われる主な手法

純資産法は、会社の資産から負債を差し引いた純資産をベースに価値を算定する方法です。計算がシンプルで客観性が高い一方、事業の将来的な収益力が反映されにくいという特性があります。

EBITDAマルチプル法は、税引前・利払い前・減価償却前利益(EBITDAとは「Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization」の略で、事業の収益力を示す指標)に一定の倍率(マルチプル)を掛けて企業価値を算出する方法です。介護業界ではこの倍率が案件ごとに大きく異なり、業態・地域・稼働率・人員配置・行政指導歴などの条件次第で変動します。公的な一律相場として参照できる数値はなく、個別案件ごとの査定が前提となります。

実際のM&A価格は、純資産額に「のれん」(事業の収益力・顧客基盤・ブランド力・将来性を加味した上乗せ分)を加算する形で決定されるケースが多く、最終的には売り手・買い手双方の交渉によって合意した金額が成約価格となります。

下表に、主な評価指標の概要と介護M&Aでの活用場面をまとめます。

評価手法概要特徴
純資産法資産−負債=純資産をベースに算定シンプルだが収益力が反映されにくい
EBITDAマルチプル法収益力×倍率で算定収益力を重視。業態により倍率が異なる
DCF法将来のキャッシュフローを現在価値に換算将来性を反映。仮定が多く専門性が必要

DCF(ディスカウンテッド・キャッシュフロー)法とは、将来の収益予測をもとに企業価値を算定する手法で、事業の成長性を重視する買い手が使用することがあります。

価格を左右する主な評価ポイント

稼働率の高さは評価に直結します。利用者の充足率(稼働率)が高いほど収益が安定しているとみなされ、評価が高まります。逆に定員に対して利用者数が少ない状態では、収益力の低さが価格に影響します。

介護報酬の加算取得状況も重要です。2024年6月に旧3加算が一本化された「介護職員等処遇改善加算」を適切に取得・維持しているかどうかは収益に直結するため、評価項目のひとつとなります。

職員の定着率・資格保有状況も問われます。介護福祉士や看護師など有資格者が安定して在籍しているか、離職率が低く現場が安定しているかは、事業の継続可能性の評価に影響します。

許認可の状態も確認されます。行政からの指導歴・改善勧告・処分の有無は、M&Aの実施可否や価格交渉に大きく影響します。日頃からコンプライアンスを徹底することが、将来的な売却価値の維持にもつながります。

設備・施設の状態も評価対象です。建物・設備の老朽化や修繕費の発生見込みは、買い手が価格に織り込む要素となります。

M&A価格の相場は業態・規模・地域によって幅があり、数百万円から数億円以上になるケースもあります。自社事業の価値を正確に把握するには、専門家への相談が不可欠です。


介護M&Aの手続きと流れ

介護M&Aの手続きと流れを確認する専門家のデスク

介護事業のM&Aは、一般的に次のステップで進みます。全体のプロセスは早くて3〜6ヶ月、通常は6〜12ヶ月程度を見込むことが多いです。

①相談・秘密保持契約(NDA)の締結

M&Aを検討し始めたら、まずM&A仲介会社やアドバイザーへの相談からスタートします。相談の段階では、秘密保持契約(NDA:Non-Disclosure Agreement)を締結したうえで情報を開示するのが一般的です。NDAとは、開示した情報が外部に漏れないよう双方が守秘義務を負う契約のことです。

この段階で、自社の事業内容・財務状況・希望する譲渡条件(価格・引継ぎ条件・従業員の処遇・引き継ぎ期間など)を整理しておくことが、その後の交渉をスムーズに進める基礎となります。

②案件化・相手先の探索

仲介会社やアドバイザーは、売り手の希望条件に合った買い手候補の探索を行います。候補が見つかったら、事業概要書(企業概要書またはIM:インフォメーションメモランダムとも呼ばれる)を作成して、買い手候補に提示します。

③LOI(基本合意書)の締結

売り手・買い手の双方が条件について大筋で合意したら、LOI(Letter of Intent:基本合意書)を締結します。LOIとは、最終的な売買ではなく、交渉の意思と基本的な条件を確認する書面です。この段階で独占交渉権が設定されることが多く、他の買い手との並行交渉が制限されます。

④デューデリジェンス(DD)の実施

基本合意後、買い手側による詳細な調査であるデューデリジェンス(DD)が行われます。DDとは、買い手が対象企業・事業の財務・法務・労務・許認可・税務などを詳しく調査するプロセスです。

介護事業のDDでは、許認可の有効性・行政処分の有無・利用者との契約状況・職員の雇用形態・設備の状態・介護報酬の請求内容の適正性なども重要な調査対象となります。調査で重大な問題が発見された場合は、価格の見直しや条件変更が行われることがあります。

⑤DA(最終契約書)の締結・クロージング

DDを経て問題がなければ、DA(Definitive Agreement:最終契約書。株式譲渡契約書や事業譲渡契約書など)を締結します。DAとは、M&Aの条件を最終確定させる法的拘束力のある契約書です。その後、定められたクロージング条件(株式の引き渡し・代金の支払い・行政への届け出等)を満たすことでM&Aが完了します。

介護事業では株式譲渡の場合でも、行政への変更届が必要なケースがあります。クロージング前後に関係機関への手続きを適切に行い、利用者・職員への案内も丁寧に進めることが、円滑な引き継ぎにつながります。


介護M&Aを成功させるための重要ポイント

介護M&A成功のポイントをアドバイザーに相談する経営者

M&Aを成功させるには、事前の準備と専門家との連携が欠かせません。売り手側が特に意識すべき点を整理します。

財務情報を事前に整理する

M&Aを進める前に、直近3〜5期分の決算書・財務諸表を整理しておきましょう。財務情報が不透明だと買い手の信頼を損ない、価格交渉でも不利になりやすいです。税理士と連携して財務の透明性を高めておくことが、スムーズな売却につながります。

許認可・コンプライアンスの状況を確認する

介護事業は許認可事業であるため、行政からの処分歴や改善勧告の有無はM&Aの成否に直結します。DDの段階でコンプライアンス上の問題が発覚すると、交渉破談や価格の大幅な引き下げにつながることがあります。日頃から法令遵守を徹底し、指導記録・改善記録をきちんと整備しておくことが、将来のM&Aに備える第一歩です。

従業員・利用者への対応計画を立てる

M&Aが実施されると、職員は雇用の継続や職場環境の変化に不安を感じます。利用者も担当者の変更やサービス内容の変化を心配するケースがあります。交渉段階では守秘義務の観点から全員への告知は難しいですが、クロージング前後に丁寧に説明する場を設けることが、スムーズな事業統合につながります。

第三者の客観的な意見を活用する

M&Aの相談先には、M&A仲介会社・FA(フィナンシャルアドバイザー)・税理士・弁護士などさまざまな専門家がいます。仲介会社は売り手・買い手双方の仲介を担うケースが多く、提示された条件が売り手にとって本当に妥当かどうか、自分で判断しにくい場面が出てきます。

重要な意思決定の前に、第三者的な立場から客観的なアドバイスを受けることが、後悔のないM&Aにつながります。

M&Aインサイトでは、売り手経営者のために完全無料・成功報酬なしのセカンドオピニオンサービスを提供しています。M&A成約実績100件超の専門家が、売り手側に100%寄り添う中立的な立場から、交渉条件の妥当性や手続きの注意点についてアドバイスします。「今進めているM&Aの条件が適正かどうか確認したい」「仲介会社から提示された価格が妥当か知りたい」という方は、ぜひ無料相談ページをご活用ください。


介護M&Aに関するよくある質問

介護M&Aのよくある質問を調べる経営者のリラックスしたシーン

Q. 介護事業のM&Aにかかる費用はどのくらいですか?

M&A仲介会社やFAへの手数料は、成約時に発生する成功報酬が一般的です。報酬の算定には「レーマン方式」が広く使われています。レーマン方式とは、譲渡金額に応じて一定の料率を掛けて報酬を算出する方式で、金額が大きいほど料率が低くなる逓減型の構造をとります。費用体系は会社によって異なるため、契約前に具体的な料率・最低報酬額の有無などを必ず確認することが重要です。

Q. 社会福祉法人や医療法人もM&Aができますか?

社会福祉法人は非営利法人であるため、一般企業のような株式譲渡はできません。M&Aに相当する再編は合併や事業の移管といった手続きで行われますが、所管の都道府県・市区町村との協議や認可が必要であり、手続きが複雑になります。医療法人の場合は手法によって必要な手続きが異なります。合併や事業譲渡、施設開設主体の変更などでは都道府県との認可・協議が重要となる一方、出資持分のある医療法人では持分の取り扱いが別途論点になる場合があります。いずれも法人形態ごとの専門知識を持つ専門家への相談が不可欠です。

Q. 交渉の途中でM&Aをやめることはできますか?

LOI(基本合意書)の締結前であれば、原則として交渉を中断することができます。ただし、LOI締結後は、条項によって法的拘束力を持つものがあり、基本合意書の記載内容によっては離脱に伴うリスクが生じる場合もあります。LOI全体が「法的拘束力のない確認書」として作成されることも多いですが、秘密保持や費用負担に関する条項は拘束力を持つことが一般的です。締結前に内容を慎重に確認し、疑問点がある場合は専門家へ相談することをお勧めします。

Q. M&A後も経営者は会社に残る必要がありますか?

M&Aの交渉次第ですが、多くのケースでは買い手側から一定期間の引き継ぎ・経営サポートを求められます。業務の習熟度や利用者・職員との信頼関係の引き継ぎに必要な期間は案件によって異なりますが、6ヶ月〜2年程度の引き継ぎ期間を設けるケースが多いです。引き継ぎ期間の長さや条件もDA(最終契約書)に定めるため、希望する働き方や退任時期を事前に交渉することが可能です。


まとめ:介護M&Aの知識を活かして、最善の選択を

介護業界のM&Aは、人材不足・後継者問題・経営圧迫といった構造的な課題の解決策として、多くの経営者に選ばれています。売り手側にとっては、事業・雇用・利用者サービスを守りながら、適正な価格で事業を引き継いでもらえる重要な手段です。

M&Aを成功させるためには、財務・法務・許認可にわたる事前準備と、信頼できる専門家との連携が不可欠です。また、交渉の途中で「この条件が本当に妥当なのか」と不安を感じた際には、第三者の客観的な意見を参考にすることが、後悔のない意思決定につながります。

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